先日、フラメンコの世界で活躍されるあるダンサーの方がCHAMPBOULLANT に興味を持ってアトリエに遊びに来てくださいました。
フラメンコは踊り、歌、ギターと三位一体と言われ、互いの要素が相互に影響し合う瞬間の芸術だと話してくださいました。
彼女は最初、オリジナルの絵画が欲しいと思ったそうですが、
アトリエに入り、瞬間を捉えた絵画写真を見つめ、やはりこちらでと言われました。
CHAMPBOULLANT は絵を描く過程をとらえた写真作品とその絵がそのまま乾き、仕上がった絵画作品の2つが存在します。
オリジナルとは一体どちらなのか…
オリジナル=絵画なのか
という疑問が私に投げかけられました。
もちろんCHAMPBOULLANT は絵画なのですが、絵画であること以前にこの表現にとって1番大切な事は何なのか。そこを問わなければなりません。
それは以前にもブログに書いた、
水に絵の具が溶け合った瞬間、
感覚が伝わる“その時”を捉えることであり、
その時の私の状態、天候、水の状態により
一度たりとも同じものは描けないということ。
美が存在する瞬間は仕上りではなく
むしろ生み出される過程にあるということ。
つまりフラメンコの三位一体、その瞬間の唯一無二の表現、
ダンサーと歌とギター、それはすべてなまものであり、同じものは一度たりとも存在しない。
最後はそこに通じたのです。
CHAMPBOULLANT にとっては絵画作品はやはり“記憶”であり、
写真作品こそ、なまものの“感覚”だということがはっきりとわかった瞬間でした。
そうなると、オリジナル=絵画という概念は覆されるのではないでしょうか...
CHAMPBOULLANT はフラメンコスタジオに収められることとなりました。
シャンボランとフラメンコ、この2つが出会ったとき、一体どんな芸術が生み出されるのか
とても楽しみです。
また後ほど写真をアップしたいと思います。
本当に貴重なお時間ありがとうございました。