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第六感を描くにあたり私が最も大切にしているのは水の流れに身を任せることである。


その瞬間を留めることはメディウムや様々な画材を使うことにより可能となるかもしれないが、

それは私の哲学に反する。


そもそもこのCHAMPBOULLANTは私にとって水と自分自身をいかに調和させるかという行為であり、 

描く過程にとても意味があるからだ。


今まで私が描いてきた絵画は、最後の目的地を完全に想像した上で、それに向けて描写を積み重ねていくが、 

CHAMPBOULLANTは完成予想図というものがないに等しい。


例えば、私の霊感が最も冴える霊山に身を委ねた後、その感覚を持ち帰り、 

ほとんど瞑想状態の中から、水に絵の具を溶かして描いていく。


自分自身がクリアなほど水と絵の具は調和し合い、一瞬のうちにその気が紙に映し出される。


けれど反対に自分自身が鈍く荒んでいれば、一瞬にして紙は薄汚れてしまう。 


紙に映し出されたときに初めて自分自身のその日の状態を知る時もある。

紙に映し出された時、初めてその形に気がつくこともある。


もちろん強烈な感覚を持ち帰って、それを描くこともあれば、 

描かれた形を見て、自分の潜在意識の中にある形、以前の経験を見つけ出すこともある。


自然を崇拝する私にとって、

水は全てを映し出す、(露顕させる)神聖な存在。

水(自然)に全てを委ねること、それが私の経験から生み出されたオリジナリティである。




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