自然のはこび


冬のくるみの木は葉が落ち、夏の頃とは想像もつかないくらい痩せて枝先が老婆の指先のようになる。
しかし初夏になる頃には若草色の葉が勢いよく茂り、蜜で濡れた美しいふくよかな実をつける。

7年前私は体重が10キロも落ち、痩せ細ってしまった。私は自分の力ない体を見るのが嫌だった。
けれど今では治療が進み、食べたいという気持ちも出てこなかった食事が美味しくなりあの頃とは違いふっくらとした健康的な体になりつつある。

“すべてのわざには時がある”
目の前の現象を追うが故にそれが一時的に見えなくなったとしても、自然の運びは真理であると私は信じる。

冬が過ぎ春が来る
夜が明け朝日が昇り
土砂降りの末、虹が出る