花と人


それなら腹が満たされればそれで良いのか。
それは違う。
そこに複雑な何かを求めること、
愛を求めること、
それが人として豊かに生きるということだと私は思う。


原始時代の人はその恋人に初めて花環をささげると、それによって獣性を脱した。
彼はこうして、粗野な自然の必要を超越して人間らしくなった。
彼が不必要な物の微妙な用途を認めた時、彼は芸術の国に入ったのである。
-岡倉天心